プレステップシリーズ16 経済学―経済実験で学ぶ

目に見えない経済理論を教室で実験できる!

プレステップシリーズ 16

経済学―経済実験で学ぶ

著者 齊藤 愼=監修/二本杉 剛・中野 浩司・大谷 咲太=著
判型・ページ数 B5判 並製 160ページ
定価 本体1,800円+税
出版年月日 2013年09月刊
ISBN 978-4-335-00088-1 C1333

 

概要

目に見えない経済理論を教室で実験できる!

「経済理論はなんの役に立つの?」この本に登場する4人の大学生は、恋愛や就活など、生活の中に見え隠れする経済のしくみを通して経済学を学び、成長していきます。楽しいストーリーを追いながら経済理論のポイントを押さえ、経済学の基礎から将来可能性まで見通せる、画期的な入門テキストです。

●特長1 経済実験5点と提出用シート付
簡単な実験で抽象的な理論を実感できる経済実験は最近注目の分野。ゲーム感覚で楽しめるので授業も盛り上がります。詳しい実施要項と充実した研究データを採用特典として用意しています。

●特長2 書き込める課題で知識を確認
グラフを描く、表を埋めるなど、手を動かす課題を各章に設け、知識を定着させることにこだわりました。

目次

序 章日常生活を経済学で考える
第1章経済学的な考え方―不器用な健太は学祭で活躍できるか?
第2章需要曲線と供給曲線―牛肉の販売数に影響を与える要因は何か?
第3章市場の価格調整メカニズム―価格はどのように決まるのか?
第4章消費者余剰と生産者余剰―取引利益はどのように測られるのか?
第5章需要・供給分析と価格弾力性―ケーキの価格が下がったのはなぜか?
第6章労働市場の均衡―有利な就職のためには何が必要?
第7章戦略形ゲーム―友情と愛情どっちをとる?
第8章展開形ゲーム―強盗の脅しは有効か?
第9章独占と寡占―なぜ高すぎる価格を付けるのか?
第10章公共財と外部性―街灯を設置するお金は集まるのか?
第11章情報の役割―知らないとだまされる?
第12章マクロ経済指標―パン工場の経済活動はどうやって測る?
第13章マクロ経済政策―どうしたら景気は回復するのか?
第14章貿易の利益―なぜ貿易は自由がいいのか?
終 章経済学を楽しむために―研究フロンティアと参考文献
課題の解答
経済実験

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はじめに 著者からのメッセージ

本書は、経済学を初めて学ぶ学生が基本的な考え方を理解し、さらに経済学の魅力を知る手助けとなることを目的として執筆したものである。本書には2つの特長がある。1つ目の特長は「経済学を初めて学ぶ大学生が経済学を身近に感じられる」、2つ目は「経済学の考え方を授業で体験できる」である。

1つ目の特長は、経済学を初めて学んだときに感じる違和感を避けるためである。経済学は社会のできごとを科学的に考えていく学問である。つまり、中学校の授業にたとえるならば、「社会」だけではなく「数学」の要素も含んでいる。そのため経済学を身近に感じられないことがしばしばある。本書では、この問題に対処するために、翔・麻里子・健太・由紀の4人の大学生活のできごとをもとに、経済学の考え方を説明するという方法を用いている。たとえば、第1章では学祭から比較優位について説明し、第7章では乙女心からゲーム理論を説明している。このような工夫により、学生が経済学と生活の接点を見つけることができると考えている。

2つ目の特長は、学生に経済学を頭だけではなく体全体で理解してもらうことである。経済学の授業では教員が授業内容を学生に説明する一方通行型の授業が多い。この授業形式だけでは、新鮮な感覚をもち、アンテナが鋭い学生に対して、経済学のおもしろさを十分に伝えるのはかなりむずかしい。この課題を解決するために、わたしたちは広い視野をもつことにした。経済学には「理科」の要素も含まれているのである。つまり授業中に実験ができる。本書では5つの経済実験を用意している。どの実験も準備の負担が少なく、初めて経済実験をする教員でも簡単にできるように、指導案を用意している。この指導案では、経済実験の進め方や実験結果の解釈についても丁寧に説明している。まずは第3章の「取引実験」だけでも試していただければと思う。今まで授業中に眠そうな顔をしていた学生も、手・耳・口などを動かしながら経済学を学ぶことで、経済学のおもしろさを理解できると考えている。

わたしたちは、大学で講義をすると、学生が喜んだり、驚いたりする瞬間に出会うことがある。このような学生はこれからも経済学をしっかりと学ぶだろうと確信する。なぜならば、わたしたちが経済学を本格的に学び、研究するようになったのは、経済学のおもしろさに気がついたからである。本書が経済学の初学者の心を動かすきっかけになることを願っている。

著者一同